海洋保全や海洋汚染の現状・対策についての備忘録

自分の勉強と備忘録を兼ねて、海洋汚染・海洋汚染に関してのブログを始めることにした、関西圏で暮らす32歳です。 プラスチック製品メーカー様をお客様にしていて、海外とのやり取りをしているため、英語が得意です。 自分の関わるプラスチックの業界が海洋汚染に大きく影響していることを知って、更には自分の大好きな海鮮や日本酒にも影響があるらしいと聞いてブログを立ち上げました。 基本的に海洋保全や海洋汚染の現状、対策、企業や個人の活動について調べて書いていきます。

    海洋保全や海洋汚染の現状について学び、対策についても勉強するブログです。プラスチックごみがもたらす影響などの話題が多いかも。

    珊瑚礁

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    海洋汚染の現状や、海洋保全のための施策について、自分の勉強と備忘録も兼ねて発信していく本ブログ。

    今回は日本企業である『ネクアス』が発表した、透明性の高い海洋生分解性プラスチック『NEQAS® OCEAN(ネクアス オーシャン)』についてです。

    ■この記事のまとめ
    ・『ネクアス』は東京と福井に拠点を置く、プラスチック製造メーカー。
    ・『NEQAS® OCEAN(ネクアス オーシャン)』は、土壌での分解と海洋での分解の両方の性質を持つ酢酸セルロースを主成分とした新素材バイオマスプラスチック。
    ・『NEQAS® OCEAN(ネクアス オーシャン)』は従来の生分解性プラスチックと比べても透明性や加工性が高く、化石由来のプラスチックの代替として期待されている。


    海洋汚染対策の海洋生分解性プラスチックのイメージ


    ■土壌でも海洋でも分解される『NEQAS® OCEAN(ネクアス オーシャン)』

    今回取り上げるのは、日本企業『ネクアス』が発表した生分解性プラスチック『NEQAS® OCEAN(ネクアス オーシャン)』です。

    『ネクアス』は東京都と福井県を拠点とするプラスチック原料や製品のメーカーで、独自の製造技術で生分解性プラスチックを作っています。

    今回発表された『NEQAS® OCEAN(ネクアス オーシャン)』は、なんと土壌でも海洋でも分解される性質があるとのこと。

    生分解性プラスチックについての誤解の記事でも書きましたが、生分解性プラスチックはその種類ごとに「分解されやすい環境・温湿度」などが違います。

    しかし土の中でも水の中でも分解されやすい『NEQAS® OCEAN(ネクアス オーシャン)』なら分解される条件が整いやすいため、かなり使える幅が広いですね。

    ■透明性と加工性の高さから、化石由来のプラスチックからの置き換えが可能な幅が広い

    『NEQAS® OCEAN(ネクアス オーシャン)』は、土壌・海洋の両方で分解されるだけじゃなく、透明性とリサイクル性が高いことも特徴です。

    生分解性プラスチックはその性質や加工性が課題とされて来ましたが、『NEQAS® OCEAN(ネクアス オーシャン)』は従来の生分解性プラスチックと比べてかなり高い透明性を誇るため、これまで使われてきた石油由来プラスチックの代わりに化粧品や生活雑貨の容器の原料とすることも出来るとのこと。

    加工性もかなり高く、プラスチック製品の製造方法である押出成形、インフレーション成形、射出成形、ブロー成形、シート成形など多様な製造方法に対応出来る性質があり、優秀な素材と言えます。

    今後も更に色んなバリエーションの素材が出て来て、石油由来のプラスチックを使わないといけない場面はどんどん縮小されるかもしれませんね。



    ■最後に

    今回は日本のプラスチック製造メーカーの『ネクアス』が発表した『NEQAS® OCEAN(ネクアス オーシャン)』について取り上げました。

    生分解性プラスチックの研究がどんどん進んで、石油由来のプラスチックと変わらないレベルで使える素材もどしどし出て来ていますね。

    この調子で言及が進めば、海洋汚染問題・環境汚染問題が解決に向かう日も近いかもしれませんね。

    今後も期待しながら注目していきます。

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    今回は、日本を代表する芸能事務所である『avex(エイベックス)』と、静岡県でプラスチックリサイクル等を行う企業『中部日本プラスチック』が開催した海洋デブリ(ごみ)とアートのイベント『MEET YOUR ART FESTIVAL 2022 “New Soil”』についてです。

    ■この記事のまとめ
    ・『MEET YOUR ART』は『avex(エイベックス)』が運営する、アートを専門としたメディア。
    ・『MEET YOUR ART FESTIVAL 2022 “New Soil”』は『avex(エイベックス)』と
    『中部日本プラスチック』が開催した。
    ・『MEET YOUR ART FESTIVAL 2022 “New Soil”』のテーマは、アートを軸に音楽、食、ファッションなどを再接続すること。2022年はそれに加えて“New Soil”(新しい土壌)というテーマで、「自然と人との再接続」まで解釈を広げて、環境保全・海洋保全へと目を向けるきっかけを作った。



    ■『avex(エイベックス)』と『中部日本プラスチック』が開催したアートイベント『MEET YOUR ART FESTIVAL 2022 “New Soil”』

    今回取り上げる『MEET YOUR ART FESTIVAL 2022 “New Soil”』は、『avex(エイベックス)』が運営するアート専門メディア『MEET YOUR ART』が開催したもの。

    『中部日本プラスチック』とコラボレートしたことで海洋デブリ(海のごみ)を素材としたパブリックアートの展示も大々的に行われました。

    アート作品を手掛けたのは、藤元明さんや藤崎了一さんら、これまでも活躍してきたアーティストの方々で、色んな賞を取ったりしている方ばかりだそうです。

    ちなみに開催期間は今年2022年の5月13 日(金)から5 月15日(日) までで、開催した場所は恵比寿ガーデンプレイスです。

    恵比寿ガーデンプレイスと言えば、個人的にはドラマ『花より男子』の劇中で牧野つくしと道明寺司が初めての待ち合わせをした場所として印象に残っています笑

    ちなみにちなみに、続編の『花のち晴れ』内でも、まったく同じセリフで待ち合わせの約束をしていたそうですので、ドラマファンの方は一度は訪れたことがあるかも。



    恵比寿ガーデンプレイスは僕自身も行ったことがありますが、かなり広い敷地を誇ります。
    その全域を使ったアートイベントは、日本全国を見てもかなりの規模なんじゃないでしょうか。

    ■森山未來さんのトークイベントを始めとした盛りだくさんのイベントで「自然と人との再接続」を考える

    『MEET YOUR ART FESTIVAL 2022 “New Soil”』ではアートの展示以外にも自然を考えた食の店舗やアップサイクルを始めとしたエシカルファッションの店舗など幅広い出店がありました。

    トークイベントやライブイベントも行われ、トークでは『MEET YOUR ART』でMCを務めている森山未來さんがお話されていたり、ライブイベントでは米津玄師さんとのコラボ『打上花火』で有名なDaoko(ダヲコ)さんが出演されるなど、本当に色んな形でアートと人と自然を再接続するイベントだったみたいです。

    ここまで色んな形でアートと自然を取り上げたイベントってなかなか無いので、今後もぜひ続けてほしいですね。


    ■最後に

    今回はavex(エイベックス)』が運営するアート専門メディア『MEET YOUR ART』が『中部日本プラスチック』とコラボレートして開催したイベント『MEET YOUR ART FESTIVAL 2022 “New Soil”』について書きました。
    このイベントは東京開催ということで遠かったですが、近くでこういった催しがあった際には、自分でも足を運んでみようと思います。

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    今回は『名古屋タカシマヤ』が海洋汚染対策として地元企業『sobolon(ソボロン)』と学生と取り組んだ、プラスチックごみを使ったアクセサリー作りについてです。

    ■この記事のまとめ
    ・髙島屋は日本各地で商業施設・デパート等を展開する大手企業。
    ・2022年5月に行われたSDGs催事 『やさしい暮らしと彩るコモノたち』の一環として、地元企業である『sobolon(ソボロン)』と『愛知淑徳大学』の学生とともに海辺のごみ拾いを実施。
    ・『sobolon(ソボロン)』は「可愛いで地球を守る!」が合言葉 の岐阜・多治見市発のブランド。
    ・ごみを基にバイヤーと学生が作成し『sobolon(ソボロン)』が監修したアクセサリーを、SDGs催事 『やさしい暮らしと彩るコモノたち』にて販売した。


    海洋汚染対策としてのプラごみアクセサリーのイメージ



    ■『名古屋タカシマヤ』で海洋プラスチックごみを使ったアクセサリーを販売

    名古屋タカシマヤでは2022年5月にSDGs催事 『やさしい暮らしと彩るコモノたち』を実施しました。

    この催事では最新のSDGs関連商品を取り扱い、より身近にSDGsを感じられるようにするのが目的。

    実際に色々な商品を取り扱っていたのですが、その中でもひと際注目されていたのが、プラスチックを使ったアクセサリーです。

    このアクセサリーは実は、愛知からほど近い岐阜県多治見市の企業『sobolon(ソボロン)』と、『愛知淑徳大学』の学生の協力によって作られました。



    ■『sobolon(ソボロン)』と『愛知淑徳大学』も協力してごみ拾い・アクセサリー作成を実施

    『sobolon(ソボロン)』は「可愛いで地球を守る」が合言葉のハンドメイドジュエリーブランドで、2020年に幼馴染4人で立ち上げたそうです。

    毎月のごみ拾いやオンラインごみ拾いイベントを開催するなど、環境保全・海洋保全に取り組んでいます。

    そんなsobolon(ソボロン)に『愛知淑徳大学』の学生がインターンで参加していたことで、今回のコラボが実現しました。

    愛知淑徳大学や名古屋タカシマヤのバイヤー達が実際に海でごみを拾い、その中から使えそうなごみを選別、洗浄、乾燥し、アクセサリーの材料にしたそうです。

    実際のアクセサリーデザインも学生たちが考え、プロであるsobolon(ソボロン)が監修することでクオリティを担保。

    アクセサリーの写真を見ても、プラスチックごみから作ったとは思えないほどハイクオリティでオシャレなデザインで驚きでした。

    今後も全国各地の大学と色んな取り組みをするみたいなので、近くでやっているときには行ってみようと思います。
    海洋保全の一貫でプラスチックごみから作られたアクセサリー
    出典:sobolon公式ページより





    ■最後に

    今回は名古屋タカシマヤのSDGs催事 『やさしい暮らしと彩るコモノたち』の一環である、プラスチックごみを使ったアクセサリーの販売について書きました。

    ごみに価値を見出していくのがリサイクルの原点だと思うので、今後も世界各地でごみを基にしていろんな商品が作れると良いですよね!


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    海洋汚染の現状や、海洋保全のための施策について、自分の勉強と備忘録も兼ねて発信していく本ブログ。

    今回は、海洋汚染対策に関連した国際デーである『世界環境デー(環境の日 World Environment Day)』と、それにちなんだイベントについて取り上げていきます。

    ■この記事のまとめ
    ・毎年6月5日は、世界規模の環境問題に取り組むために国連が定めた『世界環境デー(環境の日 World Environment Day)』。

    ・日本でも法律で制定されており、さらに6月を『環境月間』として、色々なイベントが開催される。

    ・東京・青山で開催されている『“名画になった”海 展』は『「プラスチックゴミの量が魚の量を超える」と言われている2050年の海を巨匠が描いたらどうなるか』や『マイクロプラスチックが舞うスノードーム「MicroplasticGlobe(スノードームになった未来の海)」』などのユニークなテーマを通して海洋プラスチックごみの問題への意識を高める試み。

    ・フェムテック(テクノロジーで女性を助ける)企業である『インテグロ』は、『Integro Eco-Friendly Period Month(インテグロ エコフレンドリー ピリオド マンス)』というキャンペーンを実施。『ごみを拾う:ビーチクリーンに参加しよう』と『ごみを出さない:エコな生理ケアをはじめよう』という2つのテーマで、女性のライフスタイルへのサポートと海や自然を守る活動の両方に取り組むイベントを開催している。


    海洋保全と関連する、世界環境デーのイメージ

    ■毎年6月5日は『世界環境デー(環境の日 World Environment Day)』。日本では環境月間である6月にイベントが多数開催。

    国連が世界規模の環境問題に取り組むために1972年の国連人間環境会議(ストックホルム会議)を記念して定めたのが、国際デーである『世界環境デー(World Environment Day)』です。

    ちなみに2022年のテーマは『「Only One Earth」“かけがえのない地球”』とのこと。

    実はこの『世界環境デー(World Environment Day)』を定めることを提案したのは日本で、日本の法律でも6月5日は『環境の日』として定められていて、更に6月を『環境月間』として、自然環境のほどについて考えるきっかけとなるようにイベント等の開催を促しています。

    実際に様々な企業や団体が主催したイベントが日本各地で既に行われています。

    そこで今回はそんな中から、個人的に気になったイベントとして『“名画になった”海 展』と『Integro Eco-Friendly Period Month(インテグロ エコフレンドリー ピリオド マンス)』をご紹介します。


    ■このままごみが増えていくとどんな海になるのかをイメージさせるテーマの東京・青山のイベント『“名画になった”海 展』

    まず取り上げるのは東京・青山で開催されている『“名画になった”海 展』です。

    会場となっているのは『ITOCHU SDGs STUDIO』という大手商社『伊藤忠商事』が運営している施設で、『伊藤忠商事』SDGsの達成に注力していることがわかりますね。

    この『“名画になった”海 展』では、海洋プラスチックごみで溢れた海をイメージ出来るように、海を描いた過去の名画をAIを使ってアレンジしています。

    もし葛飾北斎やゴッホが描いた海が、海洋プラスチックごみに溢れていたらこうなる、といった形です。
    海の美しさを守ることの重要性を認識して、海洋プラスチックごみの解決に向けて行動するきっかけを作るのが目的だと思います。

    海洋プラスチックごみ問題が深刻化した海を葛飾北斎が描いたら
    出典:ロボスタより


    海洋プラスチック問題が深刻な海をゴッホが描いたら
    出典:ロボスタより

    他にも、マイクロプラスチックが漂う海を生きる海洋生物をイメージしやすいように、スノードームを使って表現した『マイクロプラスチックが舞うスノードーム「MicroplasticGlobe(スノードームになった未来の海)」』の展示もあるとのこと。

    入場料は無料らしいので、関東圏の方は気軽に行ってみてはいかがでしょうか。
    むしろ誰か僕の代わりに行って、感想を教えてください笑


    ■概要
    主催:株式会社 横浜八景島
    期間:2022年5月31日(火)~2022年7月18日(月・祝)
    会場:ITOCHU SDGs STUDIO
    (東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden B1F)
    開催時間:11:00~18:00
    休館日:毎週月曜日、月曜日が休日の場合、翌営業日が休館
    料金:入館料無料



    ■フェムテック企業『インテグロ』の女性と海を大切にしようという取り組み『Integro Eco-Friendly Period Month(インテグロ エコフレンドリー ピリオド マンス)』

    次に紹介するのは、女性の健康問題の解決にテクノロジーで取り組むフェムテック企業『インテグロ』の『Integro Eco-Friendly Period Month(インテグロ・エコフレンドリー・ピリオド・マンス)』という取り組みです。

    この取り組みでは『ごみを拾う:ビーチクリーンに参加しよう』と『ごみを出さない:エコな生理ケアをはじめよう』という2つのテーマを掲げています。

    『ごみを拾う:ビーチクリーンに参加しよう』は神奈川で開催されている一般的なごみ拾いイベントなのですが、『ごみを出さない:エコな生理ケアをはじめよう』というテーマはかなり珍しくて、おもしろい試みです。

    実は月経カップや吸水ショーツは、洗って繰り返し使うことで、長くて10年も継続して使うことが出来るらしく、その間はごみを出さずに済むそうです。

    もちろん、使い捨てのほうが良いって意見もありそうですが、試しに使ってみようって方もいるかも?
    『ごみを出さない:エコな生理ケアをはじめよう』では、月経カップや吸水ショーツを通常の最大20%オフで販売することで、初めてエコな生理用品を使う方の後押しをしています。

    環境問題に絡めたセールというのは珍しいものではありませんが、フェムテック企業のこういった視点での取り組みは珍しいと思うので、一度興味本位で覗いてみてはいかがでしょうか。


    ■期間
    2022年5月30日(月)20時00分〜2022年6月30日(木)23時59分まで

    ■対象商品
    ・月経カップ「エヴァカップ」「スーパージェニー」「ディーバカップ」
    ・月経カップ洗浄剤「ディーバウォッシュ」
    ・吸水ショーツ「エヴァウェア」「エヴァウェアコットン」
    ・サニタリーショーツ「ステインフリー」

    ■販売サイト


    ■最後に

    今回は『世界環境デー(環境の日 World Environment Day)』と、関連するイベントについて書きました。
    これから海でのレジャーも活発になっていく季節なので、今のうちに子供と一緒にこういったイベントやキャンペーンに参加しておいて、夏本番に海に行った際には自然を守る意識を一緒に育むのも良いかもしれないですね。

    他にもおもしろそうなイベント等があったらまた取り上げようと思います。


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    海洋汚染の現状や、海洋保全のための施策について、自分の勉強と備忘録も兼ねて発信していく本ブログ。

    今回は『株式会社キラックス』が海洋保全のために取り組む、海洋生分解性プラスチックのレジ袋について取り上げていきます。


    ■この記事のまとめ
    ・生分解性プラスチックは、自然の中で微生物などによって速やかに分解される、従来の化石由来原料で作られたプラスチックの代わりとして研究されている素材のこと。
    ・生分解性プラスチックの中でも、海洋汚染対策・海洋プラスチック問題対策のためには、海洋で分解される生分解性プラスチック=海洋生分解性プラスチックが有効。
    ・2021年に大分県中津市のスーパーで、海洋生分解性プラスチックで作ったレジ袋が日本で初めて導入された。
    ・海洋生分解性プラスチックのレジ袋を製造したのが『株式会社キラックス』で、今後全国に普及していけば、海洋プラスチック問題対策の大きな前進に繋がる。



    海洋保全のための海洋分解性プラスチックのレジ袋のイメージ画像


    ■生分解性プラスチックの中でも海洋汚染対策に有効な、海洋生分解性プラスチック

    先日の記事でも取り上げた通り、環境汚染対策として生分解性プラスチックが注目を集めています。

    生分解性プラスチックとは、従来の化石由来原料で作られたプラスチックの代替として期待されている素材のことです。

    これまでのプラスチックが長期間自然に還らずに海等に残ってしまっていたのに対して、生分解性プラスチックは自然の中で微生物や細菌、バクテリア等によって速やかに分解されて自然に還るため、ごみとして投棄されたとしても、自然環境への影響を抑えられると考えられています。

    しかし、生分解性プラスチックの記事でも触れた通り、生分解性プラスチックにもいくつかの種類があり、それぞれの分解されやすい環境や条件があるため、海洋で分解されにくい種類もあります。

    そんな中、海洋で分解されやすいプラスチック=海洋生分解性プラスチックで作られたレジ袋が2021年に日本で初めてスーパーに導入されたということで話題になっています。



    ■海洋生分解性プラスチックのレジ袋が2021年に日本で初めてスーパーに導入され、今後の普及が期待される

    日本で初めて海洋生分解性プラスチックのレジ袋が導入されたのは大分県中津市にあるスーパーで、2021年4月から導入されました。

    海洋生分解性プラスチックの重要性は2005年の愛・地球博以降、話題には上っていましたが、なかなか実用化に至らなかった経緯があります。

    このレジ袋を製造したのは『株式会社キラックス』という企業で、使われた素材はBioPBS™(バイオPBS)と呼ばれる樹脂です。
    原料としてはトウモロコシ等の植物由来の原料が使われ、海洋での分解具合を調べる実験では、なんと1年間で90%分解されたとのこと。

    このPBS(ポリブチレンサクシネート)という素材は耐熱性に優れているようなので、今後も多方面で使われれば、レジ袋を海洋生物が誤飲する事故等の減少が期待できますね。

    今後の課題としては製造コストが高いことと、分解されやすいという性質から長期保存しにくいという点があるとのこと。

    保存性については生分解性プラスチックが分解されるタイミングをコントロールする研究が進んでいるようなので、どんどん進化して普及していくのが楽しみです!

    ■最後に

    今回は『株式会社キラックス』が取り組む、海洋生分解性プラスチックのレジ袋について取り上げました。
    日本全国のスーパーでこのレジ袋が普及していけば、海洋プラスチック問題・海洋汚染問題の改善への大きな一歩になりそうですね。

    今後も期待してニュースを追いかけていきますし、スーパーで見かけたら多少高くてもこのレジ袋を選ぼうと思います。

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    海洋汚染の現状や、海洋保全のための施策について、自分の勉強と備忘録も兼ねて発信していく本ブログ。

    今回は、海洋汚染対策として世界的スポーツ用品メーカー『adidas(アディダス)』が2022年5月23日から行っている、「10分走るごとにペットボトル1本分のごみを回収する」という取り組み『RUN FOR THE OCEANS(ラン・フォー・ジ・オーシャンズ)』について取り上げていきます。


    ■この記事のまとめ
    ・海洋プラスチック問題対策として『adidas(アディダス)』が海洋環境保護団体『PARLEY FOR THE OCEANS(パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ)』とコラボして2017年から継続して取り組んでいるのが、スポーツを通して環境意識を高めるキャンペーン『RUN FOR THE OCEANS(ラン・フォー・ジ・オーシャンズ)』。
    ・毎年キャンペーン内容は違うが、2022年は「参加者が10分走るごとに、ペットボトル1本分のごみを海から回収する」という内容。
    ・2022年は5月23日から6月8日までの開催。
    ・新しい形のボランティアや寄付の形とも言えるため、今後も同様のキャンペーンには注目していく。


    海洋保全のために企画に参加して走るイメージ画像


    ■『adidas』が『PARLEY FOR THE OCEANS』とコラボして取り組む海洋保全キャンペーン『RUN FOR THE OCEANS』

    以前の記事でも繰り返し触れてきたように、海洋プラスチック問題は海洋保全について考える際に大変重要な問題で、多くの企業や団体は解決のために様々な取り組みを行っています。

    そんな海洋プラスチック問題対策に取り組む企業の中でも、かなり積極的に色んなキャンペーンを打ち出しているのが、スポーツ用品業界で世界最大規模の企業である『adidas(アディダス)』です。

    『adidas(アディダス)』が海洋環境保護団体『PARLEY FOR THE OCEANS(パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ)』とコラボして、スポーツを通して環境意識を高めるキャンペーン『RUN FOR THE OCEANS(ラン・フォー・ジ・オーシャンズ)』に2017年から継続して取り組んでいます。





    ■2022年のキャンペーンでは、参加者が10分走るごとに『adidas』がペットボトル1本分のごみを海から回収

    『RUN FOR THE OCEANS(ラン・フォー・ジ・オーシャンズ)』は毎年キャンペーン内容が違うのですが、2022年は「参加者が10分走るごとに、ペットボトル1本分のごみを海から回収する」という内容だそうです。

    参加者が『アディダス ランニングアプリ』や『Strava(ストラバ)』等のアプリを通じてキャンペーン登録をすることで、アプリが計測した走行時間に応じて、『adidas(アディダス)』と『PARLEY FOR THE OCEANS(パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ)』が海からごみを回収するとのこと。

    これまでは走行距離を指標としていたそうですが、今回からは走行時間を指標にしたことで、ランニング等の直接的に走ることをメインとしたスポーツ以外のアスリートも参加しやすくなっています。

    『adidas(アディダス)』もより幅広い層が参加できるようと考えているようです。

    実際に今回の『RUN FOR THE OCEANS(ラン・フォー・ジ・オーシャンズ)』のために「「Impossible Is Nothing」(「不可能」なんて、ありえない。)」をテーマに制作されたキャンペーンフィルムでは、ショーナ・ミラー=ウイボ(陸上競技)、ドミニク・ティエム(テニス)、カーリー・クロス(モデル)、ペドリ(サッカー)、ニーナ・シュルツ(陸上競技)といった、様々な分野の有名人を起用していてます。




    普段から何かしらのスポーツをされている方は、ご自身の習慣が自然環境を守ることに繋がるので、積極的に参加してみても良いと思います。

    2022年は5月23日から6月8日まで開催されるそうなので、参加される場合はお早めに登録しましょう。


    ■最後に

    今回は『adidas(アディダス)』が海洋環境保護団体『PARLEY FOR THE OCEANS(パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ)』とコラボして取り組む『RUN FOR THE OCEANS(ラン・フォー・ジ・オーシャンズ)』について書きました。

    この取り組みは『adidas(アディダス)』にとって、「自然保護に向けて頑張っている」というイメージアップ戦略と、「自然保護に熱心な顧客」を獲得するという広告戦略が絡み合った取り組みなのかなと個人的には思っています。

    いくら「自然環境を守る!」って言っても、やはり利益が無いと企業は動けないですし、無償奉仕は長続きしません。

    なので、こういったボランティアや寄付の形で企業が上手い具合に広告と自然環境保全のCSR(企業の社会的責任)活動を行ってくれるのはありがたいなって思いますし、今後もこういった取り組みには期待したいですね。

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