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海洋汚染の現状や、海洋保全のための施策について、自分の勉強と備忘録も兼ねて発信していく本ブログ。

今回は、海洋汚染対策に取り組む企業として、代替素材メーカーとして話題の日本企業『株式会社TBM』に注目し、その代替素材の一つである『LIMEX(ライメックス)』について取り上げていきます。


■この記事のまとめ
・海洋汚染の原因として、マイクロプラスチックゴミの問題は避けては通れない
・プラスチック使用量を減らす(=脱プラスチック)のために様々な代替素材の開発が進んでいる
・代表的なものとして『株式会社TBM』の『LIMEX(ライメックス)』や『CirculeX(サーキュレックス)』がある
『LIMEX(ライメックス)』は枯渇リスクの低い無機物を50%以上含む代替素材
・『LIMEX(ライメックス)』はプラスチックと紙の両方の代替になる
・『LIMEX(ライメックス)』は水と木をほとんど必要としないため、紙と比べて環境負荷を低減
『LIMEX(ライメックス)』はSDGsの17の目標のうち、8つの目標へ貢献出来る



about-limex-molding

■脱プラスチックへの代替素材で話題の日本企業『株式会社TBM』

海洋汚染問題で必ずと言って良いほど話題に上る海洋プラスチック問題。

その対策として、そもそものプラスチックの使用量を減らすこと(=脱プラスチック)でプラスチックゴミを減らそうという考え方があります。

そして前回もお伝えしたように、プラスチックの使用量を減らすために、代わりになる素材(代替素材)として色んなものが試されています。

前回紹介した寒天などの既存の素材を試すのも有効な策ですが、もちろん新しい代替素材の開発も進められています。
その新しい代替素材のメーカーとして代表的なのが日本企業の『株式会社TBM』です。

『株式会社TBM』は環境配慮型の素材開発及び製品の製造販売などを手掛ける企業で、『LIMEX(ライメックス)』と『CirculeX(サーキュレックス)』という代替素材を開発・製造しています。

将来的にはこの双方の素材を組み合わせることでプラスチックの循環型モデルの構築を目標にしてるそうです。


■プラスチックと紙の両方の代替になる『LIMEX(ライメックス)』

『株式会社TBM』の2つの素材のうちの1つ、『LIMEX(ライメックス)』は50%以上が枯渇リスクの低い原料で出来た、プラスチックとしても紙としても使うことが出来る画期的な代替素材です。

プラスチックの代替としてはゴミ袋、食品容器、ボールペン、ハンガーなどに既に採用されており、紙との代替してもメニュー表や名刺、地図、ポスターやパッケージに採用されています。

『LIMEX(ライメックス)』は従来のプラスチック素材と比べてもかなり高品質にも関わらず、製造原料として使うプラスチックの使用量を減らすことで、ゴミとして排出されるプラスチック量を削減出来ます。

主な原料は石灰石由来の炭酸カルシウムで、通常のプラスチックの主原料である石油と比べて、原料調達段階のCO2排出量が50分の1程度、燃焼したときのCO2排出量も半分程度に抑えられ、地球温暖化対策としても有効です。

そして『LIMEX(ライメックス)』は、プラスチックと紙の両方の代替となることが可能な素材にも関わらず、水と木をほとんど必要としません。

そのため、水質や森林の保全の観点からも有効だと考えられ、『LIMEX(ライメックス)』を採用することでSDGsの17の目標のうち8つの目標の達成に貢献できるそうです。

SDGsを全面に出す企業などでは、社外へのアピールのために『LIMEX(ライメックス)』で作った名刺やノベルティを採用していることもあります。

石灰石は地球上に無尽蔵なほどに存在するそうなので、石油のように枯渇しない点も、持続可能な発展の観点から考えると力強いですよね。


■最後に

今回は脱プラスチックのための代替素材を開発することで海洋汚染対策に取り組む企業『株式会社TBM』の『LIMEX(ライメックス)』について取り上げました。

次回は『株式会社TBM』の展開するもう一つの代替素材『CirculeX(サーキュレックス)』について取り上げていきます。