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海洋汚染の現状や、海洋保全のための施策について、自分の勉強と備忘録も兼ねて発信していく本ブログ。

今回は『イスラエル工科大学』の日本公式組織『Technion Japan(テクニオンジャパン)』の中心メンバーである『株式会社ツカサペトコ』が取り組む、海藻から作ったバイオプラスチックについて書いていきます。

■この記事のまとめ
・日本の海藻は、かなりの量が廃棄されている
・海藻を原料としたバイオプラスチックの製造が『イスラエル工科大学』の日本公式組織『Technion Japan(テクニオンジャパン)』で研究されている。
・このバイオプラスチックは植物由来のバイオマスプラスチックで、かつ自然に還る生分解性プラスチックでもあるため、プラスチックの代替としては理想的。
・今後はバイオプラスチックのクオリティアップと実業化のために、クラウドファンディングなどを行っている。

バイオプラスチックの原料として使われる海藻のイメージ画像

■日本の海藻は、かなりの量が海に廃棄されていて、焼却処分するにもCO2排出量増加が懸念されている

今回は、海藻から作ったバイオプラスチック(生物分解型植物性プラスチック)について。

生分解性プラスチックと言えば、以前の記事でも書いたように、プラスチックの代替品として使うことで海洋保全・環境保全に繋がる素材のことです。

今回はそんな生分解性プラスチックを海藻で作るというイスラエル工科大学での研究を取り上げます。

素材として海藻が注目されたのは、日本で大量に廃棄されているのが理由だそうです。

実は日本のわかめの養殖では、食用にならない部分は「ウニ等の餌にする」という名目で、法的にグレーな形で海へ廃棄されているものも多いとのことで、問題視されているとのこと。

しかも廃棄される総量は、年間15,000トン以上。
焼却処分する場合でもCO2の排出量に配慮する必要があるため、これを有効活用できるなら万々歳という感じです。

■海藻から作るバイオプラスチックは、プラスチックの代替品として理想的

今回紹介する海藻から作られるバイオプラスチックは『イスラエル工科大学』の日本公式組織『Technion Japan(テクニオンジャパン)』の中心メンバーである『株式会社ツカサペトコ』が研究を行ったものです。

ちなみに「バイオプラスチックとバイオマスプラスチックの違いがわからない」という方も多いと思います。
僕がわからなかったので、きっと同じような人もいるはず笑

ということで調べてみると、バイオプラスチックとバイオマスプラスチックについては、こちらのページでわかりやすく整理されていました。


どうやらバイオマスプラスチックも生分解性プラスチックも、バイオプラスチックの中のカテゴリの一つにあたるとのこと。

バイオマスプラスチックの場合に重視されるのは「再生可能な植物から製造されていること」なので、海洋保全のためのマイクロプラスチック問題の解決とは、ちょっと毛色が違う様子。
ただ、バイオマスプラスチックであり生分解性プラスチックでもある素材、つまり「再生可能な植物から製造されている」かつ「自然の中で分解される」という素材もあります。

理想的には、この両方の特性を兼ね備えている素材が色んなものに置き換わっていくのが一番望ましいですよね。

今回取り上げている海藻から作る生分解性プラスチックは、この両方の性質を兼ね備えているため、代替プラスチックにピッタリです。

このバイオプラスチックのプロジェクトでは、一口1万円からのクラウドファンディングも募集しているそうなので、ご興味のある方は検討してみても良いかもしれません。

クラウドファンディングのURLは、こちらのプレスリリース内に掲載されています。

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■最後に

今回は、海藻を原料として作られるバイオプラスチックについて書きました。
日本で廃棄されているものが、海洋保全に繋がるバイオプラスチックになるのは、かなり良いニュースですよね。

今後は、更にクオリティがアップして、色んなところで既存のプラスチックと置き換わっていくのが楽しみです。