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海洋汚染の現状や、海洋保全のための施策について、自分の勉強と備忘録も兼ねて発信していく本ブログ。

今回は日本を代表する大企業である、大手飲料メーカー『サントリー(SUNTORY)』の海洋汚染対策として「ボトルtoボトルの水平リサイクル」での化石由来原料の使用量ゼロを目指す取り組みについて取り上げていきます。

■この記事のまとめ
・『サントリー(SUNTORY)』は日本を代表する飲料メーカー。
・『サントリー(SUNTORY)』は2005年からは「水と生きる」というテーマを掲げ、2017年には『水理念』として『水循環を知る』『大切に使う』『水源を守る』『地域社会と共に取組む』の4つを掲げており、具体的な活動として、『水の3R(Reduce/Reuse/Recycle)』にも取り組んでいる。
・『サントリー(SUNTORY)』が5月9日から開始したのが、「ボトルtoボトルの水平リサイクル」で、これは飲料用ペットボトルのごみを原料としてリサイクルし、飲料用ペットボトルを作るという取り組み。
・「ボトルtoボトル」は、人の口に入るものを入れる容器をリサイクル原料で作るという点で安全性を担保するのが課題だったが、2011年に論文として発表した内容を基礎として研究を進めて実現した。
・『サントリー(SUNTORY)』では、グループ全体で使用する全てのペットボトルを2030年までにリサイクル原料or植物由来原料に切り替えることで、新たな化石由来原料を使わないことを目指している。


海洋プラスチック対策・ペットボトルリサイクルのイメージ画像


■大手食品企業として『サントリー(SUNTORY)』は水を大事にしている

『サントリー(SUNTORY)』は言わずと知れた日本を代表する飲料メーカーです。
実は『サントリー(SUNTORY)』は、自分たちが飲料を作ることもあって水質汚染対策等にかなり積極的で、2005年からは「水と生きる」というテーマを掲げています。

2017年には『水理念』として『水循環を知る』『大切に使う』『水源を守る』『地域社会と共に取組む』の4つを掲げ、具体的な活動として『水の3R(Reduce/Reuse/Recycle)』にも取り組んでいるエコ意識の高い企業なのです。

そんな『サントリー(SUNTORY)』が、2022年5月9日から「ボトルtoボトル」の水平リサイクルで化石由来原料の使用量をゼロにしようという取り組みを開始しました。

■『サントリー(SUNTORY)』は「ボトルtoボトル」を進めて化石由来原料の使用量ゼロを目指す

「ボトルtoボトル」の水平リサイクルとは、つまり「ペットボトルのごみを原料としてペットボトルを作る」というリサイクルです。

従来のペットボトルは、石油等の資源から作り出した化石由来原料を使ったプラスチックが主な素材。

しかし、化石由来原料は動植物の遺骸が長い時を経て化学変化した化石由来燃料がもとになるので、使用可能な量に限りがあり、採掘には大きなエネルギーが必要です。

そのため、化石由来原料を植物由来原料やリサイクル原料で代替が出来ないかという試みがいくつも行われてきました。
『ユニクロ(UNIQLO)』が飲料用ペットボトルのリサイクル原料で作ったフリース等が代表例ですね。

ただ、食品を入れる容器をリサイクル素材で作ることについては、安全性の面が大きな課題となって、実現が難しいと言われ続けてきた背景があります。

『サントリー(SUNTORY)』はこの課題に積極的に取り組み、2011年には「ボトルtoボトル」に関する論文を発表。
この論文を基にして研究を続けたことで、2022年5月9日の「ボトルtoボトル」の水平リサイクル開始に漕ぎつけたのです。

『サントリー(SUNTORY)』は今後の展望として、2030年までに『サントリー(SUNTORY)』グループで使用する全てのペットボトルをリサイクル原料または植物由来原料100%に切り替えることと、それによる新たな化石由来原料の使用ゼロの実現を描いています。






プラスチック由来のペットボトル飲料のイメージ画像

■最後に

今後、『サントリー(SUNTORY)』が掲げるように、化石由来原料の使用量をゼロにしてリサイクル原料と植物由来原料のみで容器を供給できるようになれば、海洋プラスチック問題の悪化は大幅に減速出来ると思います。

国内外問わず、他の食品メーカーも含めて是非実現してほしいですね。

『サントリー(SUNTORY)』は新しいことにどんどん取り組んでいる企業なので、今後の動きにも注目していきます。