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海洋汚染の現状や、海洋保全のための施策について、自分の勉強と備忘録も兼ねて発信していく本ブログ。

今回は、プラスチックのリサイクル方式の一つ、サーマルリサイクルについて書いていきます。


■この記事のまとめ
・海洋汚染の原因としてプラスチックごみ・マイクロプラスチックごみが問題となっている。
・海洋保全のためにプラスチックごみを減らす施策がいくつも試されており、リサイクルはその代表的な例。
・プラスチックのリサイクルにはケミカルリサイクル、マテリアルリサイクル、サーマルリサイクルの3種類の方式がある。
・サーマルリサイクルでは、プラスチックごみを燃料として再利用している。
・サーマルリサイクルは、最もシンプルで幅広いごみに対応可能なリサイクル方法だが、有害物質の発生が課題。



海洋プラスチックを燃やすイメージ


■海洋プラスチック問題の対策としてのリサイクル

このブログでも繰り返しお話していますが、海洋保全に取り組む上で、海洋プラスチック問題は避けては通れません。

海洋プラスチック問題とは、海へ流れたプラスチックごみが、その耐久性の強さ故に長期間海に残るため、自然に悪影響を及ぼすという問題です。
詳しくはこちらの記事でも書きましたのでご参照ください。

この問題を解決するために、プラスチックごみを有効活用することで海への流出量を減らすためのリサイクルを推し進める活動が行政・民間を問わず活発に行われています。

■ごみを燃やして燃料として活用するサーマルリサイクル

プラスチックのリサイクルは、サーマルリサイクル、ケミカルリサイクル、マテリアルリサイクルの3つに分類されています。

今回はこのうち、サーマルリサイクルについて書いていきます。
それぞれのリサイクル方法について簡単に説明すると

・サーマルリサイクル:プラスチックごみを燃焼して、燃料として活用する
・ケミカルリサイクル:プラスチックごみを化学的に分解して、原料として製品を作る
・マテリアルリサイクル:プラスチックごみを、そのまま素材として製品を作る

となります。

マテリアルリサイクルについてはこちらの記事で、ケミカルリサイクルについてはこちらの記事で書いているので、ぜひ読んでみてください。

■最も幅広いごみに対応出来るが、有害ガスが発生する点が課題

3つのリサイクルの中でも、最も幅広いごみに対応出来るのがサーマルリサイクルです。

シンプルにごみを燃やして燃料とするため、ほとんどごみの種類を問わずにリサイクル出来ます。
実際に、日本国内のプラスチックごみの半分以上はサーマルリサイクルで処理されているほどです。

サーマルリサイクルの利点としては、
・埋め立てる必要のあるプラスチックごみの量を減らすことが出来る
・プラスチックの劣化で発生するメタンガス(温室効果ガス)の排出を減らすことが出来る
などが挙げられます。

また、プラスチックごみは燃やした際に発生する熱の量が同量の紙の3倍程度もあるため、サーマルリサイクルに向いているそうです。

逆にデメリットとしては、燃やす際に発生するダイオキシン等の有害物質が挙げられます。
有害物質の排出量は技術の進歩によって減ってはいますが、まだまだ完全に無くすことは出来ません。

燃やすという処理の性質上、どうしても二酸化炭素が発生することもデメリットと言えるでしょう。

RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel 主に産業廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な古紙及びプラスチック類を原料とした高品位の固形燃料)などの技術で有害物質の発生を抑える取り組みも進んでいるため、今後の技術の発展に期待したいところです。




RPFの例の画像 出典 日本RPF工業会

■最後に

今回はサーマルリサイクルについて書きました。

今回の炎の画像を探しているときに『鬼滅の刃』の煉獄さんの画像を見たせいで、この記事を書いてる間ずっと「心を燃やせ。プラスチックごみも燃やせ。」ってフレーズが頭の中に浮かんでました笑

もっとたくさんの人に海洋保全について知っていただきたいと思っているので、今後はこういったネタも含めて、子どもにもわかりやすく伝わるような記事を書いていけたらと思っています。


これまでと記事の雰囲気が少し変わるかもしれませんが、よろしくお願いします。