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海洋汚染の現状や、海洋保全のための施策について、自分の勉強と備忘録も兼ねて発信していく本ブログ。

今回は、海洋生物の4分の1が暮らすサンゴの価値と、白化(ダメージを受けた状態)が増えている原因、その対策の1つである自然に優しい日焼け止めの利用について書いていきます。


■この記事のまとめ
・海洋生物の4分の1もの種が、サンゴを生息地としている。
・近年はサンゴの白化が進んでしまい、生息地としての役割が果たせない地域も増えている。
・サンゴ白化の原因は海洋汚染と地球温暖化が主。
・マリンスポーツに必須の日焼け止めにも、サンゴを害する成分が入ったものが多い。

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海洋生物の4分の1もの種が生息地域としているサンゴの白化(死滅)が進んでいる

サンゴの白化についてニュースで頻繁に取り上げられていますが、僕はこれまでは「なぜそこまでニュースになっているんだろう?」と思っていました。
海洋面積のうち、サンゴが占める割合はわずか0.2%程度。
しかしわずか0.2%の面積にも関わらず、海洋生物のうち4分の1にも上る、およそ9万種の生物がサンゴを生息域としているそうです。

そんな海洋生物にとって大変重要な役割を果たすサンゴですが、ここ数十年で急速に死滅していっています。
世界最大のサンゴ生息地であるオーストラリア グレートバリアリーフでは、1995年から2017年にかけて、サンゴの種類と規模の両方が半減したという研究結果があるほどです。

サンゴはダメージを受けると、表面で共生する褐虫藻が失われ、サンゴ自身の白い骨格が見えるようになります。

この現象を白化と呼び、白化状態が続くとサンゴは死滅してしまいます。

白化の原因は海洋汚染と地球温暖化

この白化の主な原因とされるのが海洋汚染と地球温暖化です。

化学物質やマイクロプラスチックが原因でサンゴにストレスを与えてしまい、白化が進んでいるとのこと。
汚染物質を含む砂などがサンゴにかかった場合、サンゴ自身がそれを取り払うことは出来ないため、深刻な問題になりやすいようです。

また、地球温暖化も大きな要因の1つです。
サンゴにとっての適正水温は25℃から29℃。
そこから2℃上昇するだけでも褐虫藻の死滅のリスクが高まり、結果的にサンゴの白化にも繋がります。

マリンスポーツの必需品である日焼け止めなども、サンゴに有害な成分を含むものが多い


強い日差しから肌を守るため、マリンスポーツをされる方の必需品となっている日焼け止めですが、実はサンゴにとって有害なオキシベンゾンやオクチノキサートなどの化学物質は含まれているものが多いようです。

これを危険視したパラオ、ハワイ、ボネール(オランダ)では、既に有害成分を含んだ日焼け止めの使用を禁止しているとのこと。

日本では禁止などはされていないようですが、出来るだけサンゴにダメージの無い日焼け止めを選んで使おうと思います。

そのまま『サンゴに優しい日焼け止め』という名前の商品もあるらしいので、次に海に行くまでに探してみます。

最後に

今回は海洋生物の4分の1が暮らすサンゴの価値と、白化(死滅)が増えている原因についてについて書きました。

次回はサンゴの保護活動として『コーラル・ナーチャリング』を行っているホテル『ハレクラニ沖縄』について書いていきます。