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海洋汚染の現状や、海洋保全のための施策について、自分の勉強と備忘録も兼ねて発信していく本ブログ。

今回も、海洋汚染の原因について書いていきます。

3回目は『プラスチックゴミ・マイクロプラスチック問題への対策』についてです。

前回までにもプラスチックゴミの問題点について書きましたが、その根幹にあるのがプラスチックの耐久性の強さです。

既に海へ流出してしまったプラスチックゴミが無くなるのには莫大な時間がかかる。
そのため、解決策として真っ先に上がるのがゴミの削減です。

この記事では主に、使用するプラスチック自体の削減とプラスチックのリサイクル、そして生分解性プラスチックについて書いていきます。

■この記事のまとめ
・プラスチックゴミの対策として、使い捨てされているプラスチックの削減がある
・使い捨てプラスチックは、海洋プラスチックゴミ全体の半分近くを占め、その対策としてレジ袋の有料化が推進された
・他にもプラスチックの使用量削減のためにマイボトルやマイ箸を奨励する動きもある
・RPFを利用することで廃プラスチックの量を削減しようとする企業も多い
・生分解性プラスチックを利用し、プラスチックゴミを自然へ還す研究も進んでいる


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使い捨てのプラスチックゴミを削減するためにレジ袋有料化やマイボトル・マイ箸などを推進

プラスチックゴミの削減の話題として、必ず出てくるのがレジ袋の有料化についてです。

日本では2020年にレジ袋有料化を導入。
以前と比べて、マイバッグを持つ方が多く見られるようになりました。

同様に、様々な自治体や団体がマイボトル・マイ箸などを奨励しています。

これらは使い捨てプラスチックゴミの削減を目的とした施策です。

使い捨てプラスチックゴミは海洋プラスチックゴミの約4割を占めるため、その削減は海洋保全に大きな影響力を持つと期待されています。

RPFを使ったリサイクルでゴミ削減&コストダウン

僕自身も関わりの深い、プラスチック製品の製造現場では、廃棄するプラスチックの削減にも取り組んでいます。

プラスチック製品のメーカーにとっては、廃棄するプラスチックの量が減ることは、産業廃棄物処理業者へ支払う費用の削減にも繋がるため、注目度は高いです。

そのための技術として注目されているのがRPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel)です。
RPFは、廃プラスチックと古紙を原料とした燃料のことで、近年大きな注目を集めています。

一定品質以上のRPFは売り物にもなるため、ゴミが売り物に変わるという点も注目の理由です。

従来のプラスチックゴミの燃料(RFD)では、ダイオキシンの発生などの問題がありましたが、RPFの場合はそういった問題をクリアできることもあり、今後は更に普及するだろうと言われています。

生分解性プラスチックで自然に還るプラスチック製品を まだ課題は多い


生分解性プラスチックも、プラスチックゴミの問題に対する解決策として注目されています。

生分解性プラスチックとは、自然に還りやすいプラスチックのことです。

プラスチックが自然に還らないことがプラスチックゴミ問題の根幹にあるため、主に使い捨てされる用途のプラスチック製品は、可能ならばこちらに置き換えることが推奨されています。

ただ、まだまだコストが高いことや、耐久性に不安があったりと課題も多いです。

一方で既に実用化されている製品もあるため、多くの人々が積極的に生分解性プラスチックの製品を使っていけば、大量生産が可能になり、多少のコストダウンは期待できるかもしれませんね。

今後はスーパーなどで買い物する際には、生分解性プラスチックの製品を探してみようと思います。

最後に

今回はプラスチックゴミやマイクロプラスチックの問題への対策について書きました。

次回は海洋汚染の原因の一つである生活排水について、何が問題なのかを書いていきます。