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海洋汚染の現状や、海洋保全のための施策について、自分の勉強と備忘録も兼ねて発信していく本ブログ。

今回は、FIFAのサッカーワールドカップを通じて取り組む、カタールの脱プラスチックでの環境汚染対策について書いていきます。

■この記事のまとめ
・2022年のサッカーW杯は、11/21(月)から12/18(日)までの間、カタールで開催される。
・カタールはペルシャ湾に面してアラビア半島にある国。
・カタールではW杯に絡めて脱プラスチックと環境保全に向けた取り組みとして、『ワン・タイド』プログラムのワークショップが行われた。
・『ワン・タイド』プログラムは、プラスチック廃棄物の防止を呼びかけるキャンペーン。
・カタールW杯の決勝が行われる『ルサイル・スタジアム』の建設にも持続可能な建築手法が用いられるなど、環境への配慮が見られる。



環境保全に取り組むカタールW杯のイメージ

■30年前の『ドーハの悲劇』の記憶が根深い国・カタールでW杯が開催される

サッカーファンお待ちかねのワールドカップがいよいよ2022年11月28日(日)から12月18日(日)にかけて開催されます。

グループリーグの組み合わせは既に決定していて、日本が配置されたグループはW杯優勝候補のドイツとスペインがいる超激戦区であることも話題になりました。

カタールは首都・ドーハでサッカー日本代表がアジア最終予選で敗北したことでW杯出場を逃した『ドーハの悲劇』が起きた国でもあるので、正直ネガティブな要素も多いと思います。

ただ、そんな厳しい環境の中でも、そのイメージを払しょくするくらいの結果を期待して応援したいですね。

■カタールW杯では脱プラのためのワークショップや持続可能な建築方式のスタジアムなど環境保護にも注力

そんなW杯に合わせて、カタールでは環境保護活動にも注力しています。

例えば6月には環境の日(世界環境デー)に合わせて脱プラスチックのためのワークショップが開催されました。
このワークショップはプラスチック廃棄物を減らすためのキャンペーンである「ワン・タイド」(One Tide)プログラムの一環として行われ、プラスチックごみを減らすための具体的な方策やツールが地元の団体に共有されました。

具体的な内容としては、「ミーティングや会議・フェスティバルなどのイベントをこれまで以上に環境に優しいものにするためにはどうしたら良いか」という戦略が共有されたり、今は身の回りのあらゆるものに使われているプラスチックの使用量を減らす方法についての議論などを行ったそうです。


他にもカタールでは、W杯の最終戦が行われるルサイル・スタジアムの建設に持続可能な建築手法を採用し
・スタジアム周辺の植物の水やりに再利用水を使用
・節水型の水栓や水漏れ検出システムを導入
・スタジアムの空調の利用量を減らすために日陰を確保
・アリーナの屋根の素材としてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を採用することで暖かい風からスタジアムを守り、ほこりを寄せ付けず、ピッチ育成に十分な日光を取り入れられるようにして持続的に利用しやすい設計

などの工夫を凝らして環境保護に取り組んでいます。

実際にスタジアムの工事現場では、従来と比べて40%の節水を実現したそうなので、既に一部では環境保護に向けての効果が出ているとも言えるでしょう。

■最後に

今回は2022年FIFAワールドカップカタール大会での環境保全の取り組みについて書きました。

持続的にスポーツを盛り上げるためにも、世界中の注目を集めるイベントの場でこういった取り組みをするのは影響力が強そうですよね。

他のスポーツの大会でも色々な取り組みをやっていると思うので、そういったところにも注目しながらスポーツ観戦を楽しんでいこうと思います!